いよいよ発売の小説

科医で小説を書いております月乃宮千晶4作目の小説のほうの作品です。

カウンセラーの書籍。歯科医としての書籍もかいておりますが、今回はかなり趣向を変えてみました。二作あわせてメッセージ性を持たせております。

シュールな架空の心理ストーリーを味わい下さい。

 

★サクリファイスより抜粋いたします

 

二千三十年、日本は変わった。法律を厳しくし、金銭問題を悪用した詐欺犯罪を蔓延させないため、金融犯罪により、自殺者が出た場合に、容赦なく容疑者に死刑を執行するようになった。これにより、この種の犯罪は激減した。だがこの異常ともいえる法律の存在を許していいものか、議論はなされた。しかし、被告を擁護しすぎることが、繰り返される犯罪につながることを、国会答弁で某議員が強調していたものだ。

だが、この法律ができてから、社会にはどこかひずみができた。一部では、冤罪が増えたのではないかと噂されるようになった。

以下は例の彼女を主人公としたものである。

 

★前書きより抜粋いたします。

 

私は細川ガラシャ夫人を尊敬している。彼女の思い切りが好きであった。

戦国武士の時代に生き、本能寺の変を起こした、明智光秀の娘であるという非業の運命を生き抜いたのだ。

敵の石田三成の大軍の人質となりとらえられたら大変だ、夫の細川忠興の足手まといになるまいと、家臣に自分を刃を向け切るように命令し、生涯を終えたのだ。

もちろん、子供や侍従たちは逃してである。その潔い自己犠牲の美しさは、女性にとり、畏怖に値するものと思っている

 

★次に序章のご紹介になります……

 

私は、都立図書館の新聞コーナーで、あの町に未解決事件があるということを知った。

実は、図書館でそれを見つけた瞬間、気持ちだけがどこかにトリップしてしまったのだ。

あの町で、昭和五十六年の六月に起きた、通り魔殺人事件の犯人が捕まらないという。その未解決事件があるその記事をみたその時なのである。

私は、心だけが未来に向かい、タイムマシーンにのったのかもしれない。あの彼女が、その時の犯人の生き写しの人物とでもいうのか。

その声の女性は、神様、ガラシャ様助けてくださいと必死で言っていた。涙声で懇願するような声であった。これは、単なる私の幻聴だったのだろうか。

そして、キリスト教徒である私は、まさか…あの、明智光秀の娘、細川ガラシャのなにかであるのだろうか。そうとしか思えないような偶然を感じたのだ。

確かに、ガラシャの隠れ住んだ味土野といい、ガラシャが、城からみたという、天橋立にも、非常に懐かしい思いを抱いた思いがかつてしたものだ。

私は、細川ガラシャだったのだろうか。いや、いまはこのようなことはどうでもいい。

私はそのまま犯人らしき彼女の意識にはいってしまったのかもしれない。いわば、知りたくない事実を知ってしまった。タイムトリップをしてしまったことになるといえよう。

もしかすると、未然にそれを防いでほしいと、彼女はさけんでいたのかもしれない。

私にできることならば、この彼女が今何歳で、今どこにいるのかを知りたい。

いまはまだ、彼女は、そう大きくないはずだ。この事件の時でさえ、若い素敵な女性なのだろうから。

それにしてもやはり思う。

私はガラシャの生まれ変わりなのだろうか。彼女が、神様、そしてガラシャ様お願いというのだからそう思うのだ。何度も助けてくださいと私には聞こえてしまうのだ。

私は辛いのだ、今でさえも聞こえてくるような感じがするのだ。私が神のわけがない。それならば…。この声が聴こえる私にしか、もう彼女は救えないのだろうか。

正確な時期がわからないから、憶測して二千三十年くらいとみてみた。

そして、みなさんに、彼女らしき人をみたら、あるいは気づいたら救ってほしいのだ。私はいま、毎日涙をとめられない。そして、何より…

このようなことをだれが一体理解するというのだろう。

だから彼女のために、今はせめてメッセージのようにこの話を小説のように書かせてほしい。

心理的な描写をつけた小説として…。今はそれしかできない。

ただ、私は彼女を救いたい。

 

★以下、目次のご紹介です

 

【サクリファイス】

 

事件直後

 

三時間前

 

回想

 

 逃走中  旧和倉橋まで

 

回想

 

逃走中  太鼓の音がする高速下

 

逃走中  永代通り沿い

 

 逃走中  参道入り口付近

 

 逃走中  深川公園付近

 

 逃走中  変装

 

 回想中  すると出現したものは

  

花火大会の始まり

 

 ガラシャ夫人

 

 突然の雨と女

 

 最高の花火とフィナーレ

 

 事件から一時間後

 

 追記

 

 【プシュコ イン シェルター】

 

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*最後に解説をつけております。筆者が時空を超えた経験があることを加味した前書きであることをご了承ください。

なお、この物語はフィクションです。

  *この写真を表紙につかわせていただいております

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